3月25日の読書 失われた時を求めて10 囚われの女 I


2019年2月20日水曜日 晴れ そろそろ暖かくなってもらわないと困る

 『ソドムとゴモラ II』を読了 今日から第一〇巻『囚われの女 I』
まだ最初の一七頁しか読んでいないし今後この感覚が続くとは到底思えないが前巻と比べるとやや読みやすい気がする 『囚われの女』は副題に『ソドムとゴモラ III』とあるからまだまだ同性愛の話が続く

 ずっと修行のように字面を追っているだけの読書ではあるけれどそれでもWikiが解説するあらすじを読んで「へー そんなことが書かれているのか(筋なのか)」というようなことはさすがにない でも自分の言葉であらすじを説明せよと強要されたら完全にひと言も出てこない マドレーヌの件ですらおぼつかないだろう
 『失われた時を求めて 全一冊』を十四巻読了後復習のために使ってみるのがいいかもしれない 使うかな

読始読終入手題名著者
2019/3/25つづくBy失われた時を求めて9 囚われの女 Iマルセル・プルースト
2019/1/222019/3/22By失われた時を求めて9 ソドムとゴモラ IIマルセル・プルースト

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2月25日のピアノ練習 バスティン おとなのピアノ教本 2日目


2019年2月26日 晴れ 日中少しづつ暖かくなってきた

 我が家に赤いステージピアノが届いておけいこを始めてから二ヶ月と少しが経った ピアノが届くまでにそろえた教本は

『これならひとりでマスターできる! 大人のための独習バイエル [上/下巻]』
『大人のための独習バイエル 併用レパートリー』
『バーナム ピアノテクニック ミニブック』
『バーナム ピアノテクニック 導入書』
『バーナム ピアノテクニック (1)』
『ブルクミュラー25の練習曲』
『ハノンピアノ教本』

ピアノが届いてからもいくつか買い足した
『バーナム ピアノテクニック(2)』
『バーナム ピアノテクニック(3)』
『バーナム ピアノテクニック 全調の練習』
『ジャズハノン~ジャズピアノの基礎知識とその練習~』
『リトルピシュナ 48の基礎練習曲集』
『ツェルニー 第一課程練習曲』
『トンプソン 現代ピアノ教本(1)』

 いっぱいそろえていったところで最初はバーナムミニブック 導入書を二回さらってピアノテクニック(1)へ進みグループ2 まではまずまず順調にこなしてきた
 ところがグループ3の1’深呼吸’で躓いてしまう

 G7 (シレファソ)の指が作れないのである C (ドミソ)とF (ファラド=>実際はドファラ)は何とかパッと形を作れるのだがG7は全く歯が立たない 特に左指の5421の運指が全然ダメ
 それでここからG7の練習を繰り返した 右手だけ 左手だけ それからひたすら部分練習 時々通し稽古 その間40 BPMから少しづつテンポを上げて練習 1週間でCからG7へつなげそのあと2週間ほど費やしてようやく60 BPM程度のテンポでしかないがFからG7に綱渡りみたいな危なっかしさだがつなげられるようになってきた 打率は4割程度か
 ピアノ練習を始めて最初の山だ 差し詰め天保山ほどの山だが恐ろしく低くて高い山だった

 練習曲はつまらないから嫌だという人は多いと聞くし確かに楽しいものでもないのだろう でも見た目完全に大人となってしまった余はそれほど楽しくなくもない 併用曲など織り交ぜなくても平気だった ところがさすがにこの天保山はキツかった ちょっと屁子垂れた

 ネットの記事を読んでいると二三種類の教本を併用するのがいいと書いてあるので気分を変えようとトンプソンをやってみることにしたもののトンプソンでも天保山のPTSDから抜け出すのは難しかった しばらく休んでみようかとかも考えたりしながら書評を見ながら考え先週末とうとうこいつに手を出してしまった
『バスティン おとなのピアノ教本 BOOK1,2』幸い手元に図書カードがあったので上下巻を一気に買った
バーナムと並んで評判のいい子供向け初学者向け教本シリーズを大人向けに再編集したもので悪評が高い独特のどぎついイラストもなくて理論や楽典もしっかり解説がしてあってなじみのある選曲が多いというので期待が膨らむ

 一昨日book1を最初から順番に練習してきて四四頁の’聖者が街にやってくる’ までやってきた これがことのほか楽しかった ピアノ練習の目的はビートルズとジャズそしてクラシックはバッハの平均律クラヴィーアにベートーベンのピアノソナタ’ワルトシュタイン’だ まぁクラシックは到底無理だとしてもビートルズとジャズの簡単な曲は弾けるようになりたいと強く思っている そんな中ごくごく簡単な編曲ではあるにせよ黒人霊歌でデキシーランドジャズを代表するスタンダードナンバーを両手で演奏することができた 曲にはC G Fの三つコードが使われている バーナムで苦しんだコードだ しかもG7より簡単なGでいい もし’深呼吸’の練習をおろそかにしていたらこんなにすんなり弾けるようにはなっていなかったかもしれない  報われた気がした  最初のマイルストーンに到達したった マラソンで言えば10cm程度の道標かもしれないがそれでもそこまでやってきた

 昨日もその続きを何頁か進んだ PTSDから抜け出せたかもしれない 今日はバーナムに戻ってみよう


2月20日の読書 失われた時を求めて9 ソドムとゴモラ II


2019年2月20日水曜日 晴れ
 『ソドムとゴモラ I』を先週金曜日に読了 今週18日から
『ソドムとゴモラ II』 すかす相変わらず内容はさっぱり頭の中に入ってこない それでも飽きずにというか懲りずにというか慣れと意地でここまでやって来た さすがに私とロメール・ド・サン=ルー,アルベルチーヌ,元仕立て屋のジュビアン,スワン,ゲルマント公爵夫妻くらいは覚えた 昨年末に第十三巻が出版され購入 春になると自転車通勤が再開されそうなると読書のペースがグンと落ちてしまい最終巻の刊行には追いつけそうにない せめて『消え去ったアルベルチーヌ』くらいまで届けばよいのだが

 さて昨日の帰りに肌着に使っているTシャツのまとめ買いに大型小売店舗の中に入居しているユニクロへ行った 3枚買うと1500JPYになってほんの少し割安になるセール品を6枚買った このTシャツは通年陳列されているが行くたびに置かれている棚が変更されて店舗内をぐるぐる三周くらい探し回る儀式を余儀なくされる 完全に店の策略だ こうすると他のものも見て回る(見させられる)ことになるから結果購買機会が増えるというものだ
 勘定を済ませて小物類の棚の横を通って店を出掛けた時に何年か販売が休止されていた折り畳み傘が売ってあるのを見つけた ちょっと小躍りした この傘は長持ちはしないが軽くて使いやすくてなかなか良い 値段は1500JPYで値が上がったような気もするがそれでも値段に見合った仕事をしてくれると思う
 今度買おう

読始読終入手題名著者
2019/2/18つづくBy失われた時を求めて9 ソドムとゴモラIIマルセル・プルースト
2019/1/222019/2/15By失われた時を求めて8 ソドムとゴモラIマルセル・プルースト

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1月22日の読書 失われた時を求めて8 ソドムとゴモラ I


2019年1月22日火曜日 晴れ

 丁度二ヶ月掛かり年跨ぎでゲルマントのほうIIIを読了 永かった ゲルマント三部作は約千六百頁くらいあったんぢやないだろうか 列王記ほどではないが『LAヴァイス』や『世界のすべての七月』を遥かに凌駕する人名が出てきて加えて同一人物を爵位・苗字・名前・愛称・続柄に言い換えて呼んだりするもんだから何が何だかさっぱりわからない だがことのほか訳注が面白くて中世後半から近代初頭くらいまでのフランスの歴史や風俗なんかを知るのは非常に楽しい
 まあでも第一巻を読み終えたのが2014年1月21日だからここまで来るのに5年以上掛かっている ずっとプルーストばかり読んでいたわけではないにしても恐ろしい本だ

 さあ今日からいよいよ『ソドムとゴモラ』だ ここから二巻に亙って同性同士の愛についてプルーストが語る

読始読終入手題名著者
2019/1/22つづくBy失われた時を求めて8 ソドムとゴモラIマルセル・プルースト
2018/11/212019/2/21By失われた時を求めて7 ゲルマントのほうIIIマルセル・プルースト

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12月16日の日記 楽器を買う


2019年12月16日日曜日 晴れ
 もうずっと以前のことだがThe Beatlesの”Martha My Dear”が弾きたくてイントロだけ練習してどうにか弾けるようになったことがある 先日家に眠っているCASIOのキーボードで弾いてみようとしたが全く忘れていて全然ダメだった
 夏の終わりにコンサートで山下達郎さんのキーボード演奏を観た 達郎さんはYAMAHAのMONTAGEで演奏していらしてそれはもうものすごいかっこよかった
 再び(三度四度)『楽器を演奏できるようになれたらいいなぁ病』が発病した ギターをかき鳴らす達郎さんにキーボードを演奏する氏と両方観て考えた いままでいくつか楽器を買ったがそいつらは当たり前のように生音が鳴る それを言い訳に全然練習しないもんだから楽器はコレクションになってしもうている 余が鳴らしてあげないかわりに押し入れの奥で楽器たちは自ら泣いているのだ 音の問題を克服しないとまたそれを言い訳にしてしまう あれこれ思い悩んだ末やっぱり音量を調節出来るピアノタッチのキーボードがいいとなった 特に「ブーニンになる~ぅ」とかは思っていない
 10月頃から色々考えてYAMAHA のステージピアノが候補になった まぁ何といっても定番で間違いないのだがふたつほど大きな気になる点がある 先ず三本ペダルが使えないこと そして発売されてから5年ほど経っていてそろそろモデルチェンジも噂されていたりするってことだ 最有力候補の座が危うくなってきた
 そんな中10月中旬から独習の為の教本を揃え始めた
『これならひとりでマスターできる! 大人のための独習バイエル [上/下巻]』
『大人のための独習バイエル 併用レパートリー』
『バーナム ピアノテクニック ミニブック』
『バーナム ピアノテクニック 導入書』
『バーナム ピアノテクニック (1)』
『ブルクミュラー25の練習曲』
『ハノンピアノ教本』

 そんな感じで周辺をぐるぐる廻っているうち11月に木製鍵盤を搭載した新しいモデルが発売されるのを知った 練習に必要な機能は全て揃っているし勿論三本ペダルも選択できるし九割がたこれにしようと固まり始めた そうしたところへ12月中旬に発売される赤いステージピアノがあるのが判り取りあえず12月を待つことにした 赤いキーボードはテレビやYoutubeで見たことがあるカッコいいやつだ

 東京地方で39年ぶりに木枯らし1号が吹かないまま師走を迎えて間もなく赤いステージピアノが発売前に先行展示されるというので近くの楽器店へ話を聞きに行き次の休みに隣町へ木製鍵盤と赤いのと両方見比べに行った
 次の休み先週の日曜日隣町に遠征 両方一緒に置いている店がないので先に木製鍵盤の展示品を見たら思いのほかよいお品でこれでじゅうぶんぢやないかとなった やはり倍の価格差は大きい それでもせっかく来たんだからってんで別の楽器店で赤いのも見た 強烈にもの凄くいい 価格差を考慮に入れると木製で全く問題ない 木製だけ見ていればシックでデザインもいいし搭載されている音も機能も申し分ない これで完璧なんだが赤いのと比べるとお稽古用感が否めないのだ 見比べてしまうと赤いの以外目に入らなくなってしまった

12月16日日曜日午後2時過ぎに赤いのが我が家にやって来た


12月13日の読書 失われた時を求めて7 ゲルマントのほうIII


2018年12月13日木曜日 晴れ

 12月9日に『熱帯』を読了 そしてゲルマントのほうに戻った矢先こちらにも『千夜一夜物語』が登場
 『熱帯』では『千一夜物語』と言い『ゲルマントのほう』では『千夜一夜物語』としてある 余を含めて大抵の人は『千夜一夜物語』が馴染みではないか 両方ともマルドリュスが訳したフランス語訳で吉川さんの訳注(145頁)ではマドリュス訳と書いてありプルーストの時代に出た新訳で当時プルーストも愛読していたそうでそこからの引用が本文に出てくる
 『熱帯』の『千一夜物語』は岩波文庫版で仏訳からの重訳だが吉川訳の引用は岩波の重訳からではなくて吉川さんが仏訳から訳されたのだろうか

 『失われた』ももう7巻目なので『千夜一夜物語』などは6巻以前にも何度も登場して何も引っかからなかっただけなのかもしれないのに無関係のところから偶然の一致を見て暫く記憶に留まるのだろう まあすぐ忘れるんだが

 『失われた時を求めて』をずっと読んできたがトラディショナルシェービングの時に使っているアフターシェーブローションが出てきたり最近少し目にしたモリエールが登場したり今回の『千夜一夜物語』だったりと偶然の合致が頻出しているのが面白い

 次は『アラビアンナイト』か

読始読終入手題名著者
2018/11/282018/12/9Bo熱帯森見 登美彦
2018/11/21つづくBy失われた時を求めて7 ゲルマントのほうIIIマルセル・プルースト

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11月30日の読書 熱帯



2018年11月30日金曜日 晴れ

永くプルーストを読んで未だゲルマントのほうIIIの途中だが一昨日からちょっと浮気をすることにした
初めての作家森見登美彦さんの『熱帯』 ドラクエのようで面白そうだ 流石にゲルマントのほうより頁を捲るのが忙しい
早い人なら一日ちょっとで読めてしまうのだろうがじっくり読ませてもらおう

読始 読終 入手 題名 著者
2018/11/28 つづく Bo 熱帯 森見 登美彦
2018/11/21 つづく By 失われた時を求めて7 ゲルマントのほうIII マルセル・プルースト

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11月21日の読書 失われた時を求めて7 ゲルマントのほうIII



2018年11月21日水曜日 晴れ

 そろそろ枕をそばだてて遺愛寺の鐘でも聴くによい季節になってきた
自転車通勤はこのくらいの気温になると勘弁していただいて代わりに通勤読書を楽しむ季節がやって来る
『ゲルマントのほうII』がほぼ一ヶ月で読み終えることができたので今朝から『ゲルマントのほうIII』
祖母の死で前半の山場を迎え,五百頁越えの後半までやって来た 思えばよく辿り着いた
さあ後半 一月半はかかりそうだ

読始 読終 入手 題名 著者
2018/11/21 つづく By 失われた時を求めて7 ゲルマントのほうIII マルセル・プルースト
2018/10/18 2018/11/20 By 失われた時を求めて6 ゲルマントのほうII マルセル・プルースト

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11月6日の読書 失われた時を求めて6 ゲルマントのほうII



2018年11月6日火曜日 雨から明け方曇り 午後からは晴れの予報

 月初めに行く神社のご挨拶をコロッと失念していたのを思い出し今朝6日遅れで参った

 『失われた時を求めて』は記事をsabotaggioしている間に5巻を読み終え第6巻まで来た
第5巻にはほぼ2か月を費やした Pokémon G0を制えないことには進まない

 村上さんが自身の作品に掛かる仕事上の資料やレコードコレクションを母校に寄贈するニュースを聞いて本当に良かったと思った
記者会見の中で
「生原稿とか資料とか書簡とか関連記事とか、そういうものがいっぱいたまってまして、うちにも事務所にも置ききれないくらいあるんです。
で、僕は子供がありませんので、僕がいなくなった後、そういうものが、ばらばらになってしまったり、散逸したら困るなあと思ってた」
とおっしゃったのを読んで評論家植草甚一さんのジャズレコードコレクションをその散逸を防ぐために結果的にタモリさんが買い取ったという話を思い出した 村上さん植草さんタモリさん三人とも同じ大学出身だ

ただやみくもに集められた収集物は古本屋や中古レコード屋に出回らないと宝探しの楽しみがないけれど目利き耳利きのコレクションはこうして散逸を防いで後人のために残してもらうのがありがたい

「村上コレクション」を拝みに三ノ輪橋から都電荒川線に乗って途中『いつか王子駅で』寄り道しながら早稲田を訪れてみたいもんだ

読始 読終 入手 題名 著者
2018/10/18 つづく By 失われた時を求めて6 ゲルマントのほうII マルセル・プルースト
2018/8/17 2018/10/17 By 失われた時を求めて5 ゲルマントのほうI マルセル・プルースト
2017/3/24 つづく iB The Big Sleep Raymond Thornton Chandler
2016/9/26 つづく Pr 猫楠 水木しげる

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9月12日の読書 失われた時を求めて5 ゲルマントのほうI



2018年9月12日水曜日 雨

 昨日奉公の帰り 茜色の夕空に刻々と墨が滲んで紺色が夜空へと移い黄昏押し迫る中 国道から一本東に入った南南西行き一方通行に制限されたその起源は千二三百万年前とも伝えられる旧街道で戦前から有数の紡績工場が建ち周辺には工員の社宅が軒を連ね路面バスが通い街道沿いの商店街は大層賑わったがやがて軽工業から重厚長大産業へさらには第三次産業へと変遷していく産業構造変革の波をもろに受け七十年代の後半には工場が閉鎖になったあと大店舗小売業や分譲集合住宅へと変貌し往時の面影を残す記念碑としてその一部が残された工場のレンガ塀が辺りの景観づくりに一役買っている近くの交差点で北北東に向かって緑信号に変わるのを自転車にまたがって待っていると余が通って来た背後から自動二輪車が原動機から消音器を通って吐き出される排気音の回転数を下げながら近づき制動機の摩擦音と共に余の右側に並んでピタリと停止した ちらりと右を見やるとその自動二輪車はピザの宅配車で会社の紋章が印刷された自動二輪用の安全帽を被った時給雇いの学生さんのやうに見える青年が乗車している

 このまま向かう逆行の先には程なく交番が待ち受けている 折角の仕事中に道路交通法違反でみすみす国庫に無駄金を入金する羽目になる馬鹿馬鹿しい近未来がこの勤労青年の身に降りかかろうとしている絶体絶命の大ピンチである 青年の不注意なのかはたまた青年故の横着なのか判断しかねるもののそんな不運を目の前にしてたまたま偶然接近遭遇した赤の他人事ではあるけれどももしその所業が横着に依るものならそれは彼が選んだオプションなのだから覚悟の上のことなんだろうしまた捕まる訳なんてないさと高をくくっているのだったらそれ以上は何も言うことはない だがもし別の街からやって来た初年目の書生さんでこのあたりの交通規制に不案内な上に不注意でまるで罠のように見にくい標識を見落としたのなら何だか気の毒だし今後もこの道を使うことが二度三度ではなかろうとここは一丁優男の開閉器を短絡させることと相成った

 「ここ一通だお」(実際は『だお』なんて言うてない)
 「え,マジっすか?」(実際もこのように発言)
 「こっち行きだけ(と我々が共に通って来た一点透視法を使って延びる舗装路の先を指さし呼称しながら)」
 「アッブな~,ありがとうございます!」

 信号機の発光が赤色から緑色に変わって青年は本来直進しようとしていた交差点を使用予定のなかった方向指示器を右に点滅させ原動機の回転音を上げながらぶろろろろんとスティーブ・マックイーン演じる『大脱走』のヒルツ大尉さながら自動二輪車を巧みに操り走り去って行った 不注意なのか横着だったのかは今では知る由もないが見た目素直に余の忠告を聞き入れてその後の狼藉に及ばなかったのは青年の良心と言えよう

 余が青年の人生の一場面に介入して運命の歯車の噛み合わせが切り替わった瞬間だった このことが青年にとって小吉祥の一助になればと祈りつつ交差点を直進した

今朝も元気に『ゲルマントのほう』

読始 読終 入手 題名 著者
2018/8/17 つづく By 失われた時を求めて5 ゲルマントのほうI マルセル・プルースト
2017/3/24 つづく iB The Big Sleep Raymond Thornton Chandler
2016/9/26 つづく Pr 猫楠 水木しげる

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