バーで


いくつか馴染みにしてもらっているバーの1軒へ仕事帰りに寄り道。

  6人掛けのカウンターの奥に知らない若い男性客が一人、手前は女性客らしい荷物があるが席をはずしていて姿は無い。ひとつ空いて3つ目の席に、西洋系の若い男性客が一人座っている。
ここのバーは繁華街にあってシティホテルの近所なので、時々外国の客が一人で酒を楽しみにやってくるからこうした光景はさして珍しいことではない。

  奥側の2つ空いた席のどちらに座ろうかと思いながら外套を脱ぎ始めるとマスターが、
「ちょうどよかった、(英語)お願いしますよ~」

  勿論、英語なんて上手くない。何年も前に教育給付金制度でNOVAに1年通ったが、もうサビサビの抜けるかもわからないナマクラ刀。

  以前もこんなことがあった。そのときはドイツから仕事でやってきたという客と半時間ほど話した。母国語じゃないので、なんとかギリギリ会話が成立した。そのときに英語が話せるってなってサバイバルも覚束ない自分にマスターがヘルプを出してきた。

  「あぁ!師匠!!」女性客が戻って来て自分を呼んだ。彼女は常連客で彼女には私が「笑いの師匠」だそうで勝手に弟子入りしてバーの止まり木を楽しんでいる。

  奥に座りかけていたのを止めて弟子の隣を促され軽く外国客に会釈し、二人の間に座ることになった。

  久しぶりに暖かかったので、先ずは生ビールをグラスで注文。隣の彼を気にしつつ暫く弟子と近況を話しながら喉を潤した。

  彼はライを飲んでいたが、グラスは飲み終えたようで2杯目を考えているようだった。

  折角なので、弟子の手前でもあることだし彼に話しかけてみた。

  「びじねす・とりっぷ おあ とらべる?」ほとんど日本語(・・。)ゞ

  ”nanja kanja henja ‘business’ monja!” 仕事で来たようだ。

   「Where are you come from?」多少英語っぽくなってきた。

  ”nanja kanja henja ‘Sydney’ monja.” シドニー、オーストラリアか。

  通りで聞き取りにくいと思ったと自分のヒアリング力の無さをオールトラリア英語のせいにすり替える。

  ビールがなくなったのでこの前初めてキープしたブレンデッド・モルトの”The Six Isles”をロックで注文。

それまではシングルモルトしか入れなかったのだが、少し範囲を広げてみようと思い、少し冒険してみたが非常に飲みやすくて美味しい。

  彼は2杯目を注文した。それからいろいろつたない英語でいろいろ聞いてみると、この街はほんの6時間前にはじめて来たそうで、やはり店の近所のホテルに泊まっているという。
日本には10年前に来た事があってそのときは東京周辺だったらしい。今回は1ヶ月ほどここに滞在するという。

  poor Englishで申し訳ないと言うと自分は日本語が話せないのでそのほうが大変申し訳ないと言って謝ってくれた。

ほんの30分程度の会話で2/3以上話がわからなかったが久しぶりの英会話だった。


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