3月の読書 失われた時を求めて


岩波文庫から吉川一義さん単独訳でM.プルーストの『失われた時を求めて』が2010年11月から刊行されている。

全14巻の大著で2015年3月現在で7巻まで刊行中だ。

いつかは読んでみたいと思うようになってから、なかなか手が出せなくてやっとその気になったはよかったが、いきなりこれに挑戦するのは絶対無理だと思い助走が要るなってことでアイドリングに2タイトル読んだ。

助走にこれってどうよって感じだが、一つ目はジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』だ。

プルーストの1/3位の量だが、中身はもしかしたらこっちのほうがきついかも。いくつかの訳があるようだが集英社ヘリテージ文庫の版を選んだ。丸谷才一さんが訳者に入っておられたのがよかったのかもしれない。

自分の読書は主に通勤時間を利用しているので読了するのに3ヶ月掛かった。流石にきつくて途中でほかの本も読んでいるのでまあこれくらい掛かっても仕方がない。

実のところ読了とは言ってもただ単に字面を追っていたに過ぎないんだけれども、とにかく読んだには読んだ。何とかフルマラソンを走りきったってとこか。一度ダブリンに行ってギネスを味わってみたいと思った。

『ユリシーズ』を読了したっていうのは結構自信に繋がるもんでこれなら大抵の小説ならいけるんではないかと錯覚してしまう。

次に挑戦したのは『カラマーゾフの兄弟』。

これは新潮文庫の原卓也さんの訳で読んだ。この本もきつかった。『ユリシーズ』を読み切っていなかったら、もしこっちが先だったら読めていなかったかもしれないと思った。これも本当のことを言えば同じように字面を追っていただけなんだけど。

村上春樹さんが目指す総合小説っていうのはこういうものなのかと感心頻りだった。そう考えると村上さんの『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』は総合小説のための習作のように自分には思えてならない。

『ユリシーズ』と『カラマーゾフの兄弟』を曲がりなりにも読んだという達成感と変な自信が自分を『失われた時を求めて』に向かわせた。人間やればできるもんだ。

当面の目標は岩波文庫の刊行に追いつくことだ。

今はまだ第2巻『スワン家のほうへII』を2/3ほど読んだところ。部屋の本棚にはちゃんと7巻まで置いてある。

色々他の本を挟みながら読了を目指そう。

『失われた時を求めて』ごときでへこたれている訳にはいかないんだ。

だって次には『大菩薩峠』が控えているんだから。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です