3月31日の読書 充たされざる者 ブダペスト その2


3月31日 晴れ 今朝はステンカラー・スプリングコートが出動

 昨夕暖かくてトレンチは羽織らずに腕に抱えて帰ったので今朝は軽めのスプリングコートで奉公へ

 さて、ブダペストの続き

 泊めてもらった家は3LDKほどの間取りだっただろうかリビングに通された チェコ・スロバキア産のウォッカの炭酸水割のようなロングカクテルを振る舞われた

 主人はチェコ・スロバキアのことをチェコ・スロバンスクと言っていた ハンガリー語ではそう言うのだろう

 あと厚めのクレープに似た食べ物が出されマーマレードやシロップを付けて食べた

 驚いたことにテレビでは日本の時代劇を放送していた 『銭形平次』だったか『水戸黄門』だったか『大江戸捜査網』だったか『暴れん坊将軍』だったか『子連れ狼』だか忘れたが(『素浪人花山大吉』ではなかった)ハンガリーではそのころちょっとした日本ブームだったようだ

 それで入国審査の軍人が「コンバンワ」と言ってくれたことに合点がいった
 がってん、がってん 3月で終わってしまったのはいささか寂しいなぁ

 その家はよく旅行者を泊めているらしく今まで泊めたいろんな国の旅行者と一緒に撮った写真や手紙を見せてくれた そんなことをしているうちにみんなで雑魚寝

 翌朝また同じタクシーが迎えに来てブダペストの中心街まで送ってくれた 朝から雨が降っていて東欧の都市は墨絵のようにどんよりと灰色というか沈んだ色に覆われていた

 ドナウ川も濁流で「美しく青きドナウ」からはほど遠くかけ離れた印象だった

 川にかかる大きな橋の袂にある崖の上にあった公園に行きそこから掛かる橋を眺めているとどこからかオルガンのようなの音色が聞こえてきた 手回しオルガンの大道芸だった ただ芸はなくて老人が手回しオルガンを回して曲を鳴らしているだけだった

 その曲はすっかり忘れてしまったが何度か聞いたことがある曲でその楽器にピッタリの演奏で録音出来たらよかったのにとしばらく悔やんだのを覚えている

 それからどこかの市場のパン屋か総菜屋だかで腹ごなしの食べ物を買って街の中を行く宛てなくぶらぶらしていると通りから建物の中庭に続く通路の奥に見慣れない乗り物が停めてあった

 たまたま入口のそばに男性が佇んでいたのでカメラを見せその乗り物を指さしてシャッターを切るポーズをとって撮影のお伺いを立てたところ「いいよ、好きにしな」って感じで手招きしてくれた

 男性に礼を言い恐る恐る入り口の通路を抜けて中庭に入って乗り物を近くに見た こんなの見たことなかった
 

front
front

左右にドアらしきものはなくてフロントのボンネットというんだろうかその左側に取っ手がついていてどうやら冷蔵庫みたいに右側のヒンジを軸にしてボンネットをガバッと開けて車内にアクセスするようだ

rear
rear

リアのタイヤトレッドはフロントの半分くらいしかなくてある方向から見れば三輪車かとも思えるほどだ

 さらに驚いたことにフロントのボンネット部にはなんとBMWのロゴマークが付いていた

 さすがに東欧の国だけあってこんな珍しい自動車があるもんだと驚いた

 このときは何という名前の車かわからずじまいのままになってしまった

 最近になってこの写真を撮ったことを不意に思い出してネットで調べてみるとBMW Isettaというバブルカーである事が分かった

 もともとイタリアのイソという会社が設計製造したイセッタという車でいくつかの自動車会社がライセンス生産したものでBMWもその一つだったようだ

 だが本家のイソ社ではあまり作られなくて当時経営不振だったBMWが作って売ったところ爆発的にヒットして通算16万台も売れちゃってそのおかげでBMWは苦境を乗り切ったらしい

 もしIsettaが無ければBMWは今頃なかったかもしれないという命の恩人の様な車だったのだ

 この車を直に見られただけでもブダペストを音連れた甲斐があったというものだ

 ちなみにこの一泊二日のブダペストの旅現地で使ったお金は一人1USDぽっきりだった
 ぼったくられなくてよかったよかった それでもぼったくられていたのかも知れないがこれくらいなら大丈夫か

 もう一度行ってみたいなぁ

 今日の読書も『充たされざる者』

 『2001年宇宙の旅』と『荒野の七人』と『荒野の用心棒』がなんだかごっちゃになっている ユル・ブリンナーがボーマン船長とは知らなかった

読始 読終 入手 題名 著者
2016/3/25 つづく By 充たされざる者 カズオ・イシグロ
2015/9/11 つづく Li 鹿の王(下)P.44 上橋 菜穂子
2015/5/11 つづく Li LAヴァイス p.174 トマス・ピンチョン

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